用語の解説

ガスやガス検知器に関連する主な用語を解説した用語集です。
キーワード検索も可能です。

あ行

応答時間

清浄な空気から試験ガスへの瞬間的な切り替え(又はその逆)を行ったときから、指示値が切り替え後のガスに対する最終指示値に対して規定された割合(例えば90%)に達するまでの時間。

か行

拡散式

拡散式は、ガスを検知する箇所に検知部を設置またはポータブル型の場合は身に着けるなどして、漏洩したガスなどがガスの対流拡散によりセンサ部に接触することで検知する方式です。

ガス検知

空気中などの様々なガスの濃度を定量的に把握すること。
一般的にメタンや水素などの可燃性ガス、一酸化炭素などの毒性ガスや空気中の酸素濃度などを検知します。

ガスの記念日(10月31日)

日本では1872(明治5)年10月31日に横浜で初めてガス燈が灯ったとされている。その100年後の昭和47年に、都市ガス事業の始まりとして、日本ガス協会がこの日を「ガスの記念日」と定めた。

可燃性ガス

一般に、空気中または酸素中で点火・燃焼するガス。ある比率で空気と混合したとき爆発性雰囲気を生成するガスまたは蒸気。
⇒「知っておきたいガスのこと」へ

干渉ガス

検知対象ガス以外のガスで、共存又は単独で存在し、指示値に影響を及ぼすガス。

感度

ガス濃度の変化に対するガス検知器の指示値の変化の度合い。

感度チェック

ある濃度のガスを用いて、センサ出力(ガス検知器の指示値)の状態を確認すること。

吸引式

吸引式は、本体に内蔵されたポンプまたは外部ポンプユニットにより、測定したい場所からガスを吸引して測定する方式です。

許容濃度

労働者が有害物質に曝露される場合に、その有害物質の空気中の濃度がこの値以下であれば、ほとんどの労働者に健康上の悪影響が見られないと判断される濃度。米国ACGIHと日本産業衛生学会の勧告値が通常は引用される。

繰返し性

同一条件下で、清浄な空気と試験ガスを、比較的短い時間に繰り返し測定した場合の、個々の測定値の一致する度合。

経時特性

長期の時間経過に伴って生じる、ガス検知器の特性の変化による指示値の変化。

警報遅れ時間

警報設定値より高い(低い)ある濃度の検知対象ガスを検知部に接触させてから、警報を発するまでの時間。
JIS T8201(酸素欠乏測定用酸素計)では、『検知部を正常空気に接触させ,10 %酸素〜11 %酸素の試験ガスを接触させ,警報を発するまでの時間を調べる(抜粋)』ことと定義されている。
また、JIS T8205(硫化水素計)では、『 警報設定値を10 ppmとし,その濃度の1.6倍の試験用ガスを検知部に接触させ,警報を発するまでの時間を調べる(抜粋)』ことと定義されている。

警報精度

警報設定値と警報を発し始めるガス濃度との差又は、その差の警報設定値に対する百分率で表した値。

警報設定値

ガス濃度がある濃度に達した時に警報を発するようにあらかじめ設定した値。

警報遅延時間

警報濃度に達してから警報を発するまでに、予め設定した警報の遅延処理を行う時間。

検知原理

ガスの存在を検知し、電気信号に変換する物理的又は物理化学的原理。

検知対象ガス

ガス検知警報器における、ガス検知の対象となるガス。

検知範囲

ガス濃度を指示し、又は警報することができる検知対象ガスの濃度範囲。

検知部

ガス濃度を検知して電気信号に変換するユニットです。
⇒「定置式ガス検知警報器の種類」へ

校正

校正用の試験ガスを用いて、機器が表示する濃度値と真のガス濃度の関係を求めること。
校正には、計器を調整して誤差を修正することは含まない。

校正ガス

ガス検知警報器の校正や調整に用いるガス。ゼロ・スパン調整や目盛校正などに用いる。

校正曲線

ガス濃度と指示値との関係を表す曲線。

さ行

再現性

1台のガス検知警報器に対して検知対象ガス、測定方法を同一にして、測定者、測定場所、測定時期、などのすべて又はいずれかが異なった条件で測定した場合の、個々の測定値が一致する度合い。

自己保持

警報動作の1 つで、警報を発した後、警報条件を満たさない場合でも、解除するまで警報を発し続ける動作です。

指示警報部

検知部の信号を受けてガス濃度の指示と警報及び外部出力(アナログ出力,デジタル出力)を出すユニット。

指示範囲

ガス検知警報器がガスを検知し、濃度値として示すことができる範囲。

自動復帰

警報動作の1 つで、警報を発した後、警報条件を満たさなくなると自動で警報を停止する動作です。

使用温度範囲

ガス検知警報器の使用上、所定の性能及び機能を維持できる温度の範囲。

た行

耐圧防爆構造

機器内部に侵入した爆発性雰囲気の内部爆発に対して、損傷を受けることなく耐え、かつ、外部のガスまたは蒸気に点火しないように設計された構造。
⇒「技術資料(防爆について)」へ

暖機時間

ガス検知器を作動状態にしたときから、性能を満足するための許容差内に達するまでに必要な時間。

直線性

入力信号と出力信号との間の直線関係からのずれの小さい程度。

定期点検

ガス検知警報器の保安機器としての性能を維持するため、弊社のサービスエンジニア又はメンテナンス教育をうけた者が、定期的(6ヵ月毎など)に実施する感度調整などの点検。
⇒「メンテナンスの必要性」へ

毒性ガス(有毒ガス)

有害ガスのうち、人体への許容濃度が低く毒性を有するガス。
⇒「知っておきたいガスのこと」へ

な行

日常点検

ユーザーが作業前に実施する比較的容易行うことができる機器の点検、手入れ。
⇒「メンテナンスの必要性」へ

日本で最初のガス燈

1872(明治5)年、高島嘉右衛門のガス会社により横浜の馬車道、本町通りにかけてガス燈が灯された。
これが日本で最初のガス燈と言われている。

は行

爆発範囲(燃焼範囲)

可燃性ガスが空気と混合し、着火によって爆発を起こす濃度範囲。
爆発上限界と爆発下限界との間の濃度である。 例:水素の爆発範囲は4.0vol%~75vol%

%LEL

可燃性ガスの爆発下限界濃度を100%として、可燃性ガス濃度を100分の1の割合で表したもの。

ガス濃度を1000分の1の割合で表したもの。同位体比を表す場合など、限定的に使用されています。

爆発下限界

可燃性のガスと空気が混合し、着火源が存在したときに爆発を起こす最低の濃度。
英語では「Lower Explosive Limit」。

爆発上限界

可燃性のガスと空気が混合し、着火源が存在したときに爆発を起こす最高の濃度。
英語では「Upper Explosive Limit」。

ピーク値

ある期間内の最大値又は最小値。

非点火防爆構造

正常状態において、周囲の爆発性雰囲気に点火する恐れがないよう設計された構造。
⇒「技術資料(防爆について)」へ

フルスケール

ガスを検知する上で、ガス濃度を指示として示す測定可能な範囲の最大値。

平均値

ガス濃度を測定した値(測定値)を全て加算し、加算した測定値の個数で割った値。すなわち、測定値の算術平均値。

防爆構造

電気機器がその周囲に存在する爆発性雰囲気の点火源となることがないように、電気機器に適用する技術的手法。

保護等級(IP code)

保護等級は、IEC60592及びJIS C 0920により定められています。IP(International Protection)とは、固体異物と水の浸入に対する保護を規格化しているもので、機器の保護等級を記号で表したものです。

本質安全防爆構造

正常状態及び特定の故障状態において、電気回路に発生するアークまたは火花がガスまたは蒸気に点火する恐れがないよう設計された構造。火炎が発生しないよう使用する電気を制限している。仮定する故障が2つまでなら「ia」、1つなら「ib」。
⇒「技術資料(防爆について)」へ

や行

有害ガス(危険ガス)

生体に刺激性、腐食性、窒息性等の種々の有害作用を持つガス。 広義では酸素欠乏空気を含む場合がある。

A

ACGIH

American Conference of Governmental Industrial Hygienists の略称。日本では「米国産業衛生専門家会議」と呼ぶ。
有害物質の許容濃度値を物質ごとに勧告している。

ATEX

爆発の恐れのある環境で使用する機器に適用される欧州の防爆指令のこと。ATEXはフランス語の「Atmospheres Explosibles」に由来しています。
⇒「国内関連法令・国際規格を知ろう」へ

C

CEマーキング

欧州域内での製品の自由な流通を促進するための制度で、EUで販売(上市)される指定の製品がEUの基準に適合していることを
表示することをCEマーキングといいます。CEマーキングによって、その製品が分野別のEU指令や規則に定められる必須要求事項(Essential Requirements)に適合していることを示します。
⇒「国内関連法令・国際規格を知ろう」へ

E

EN

欧州規格(European Norm)のこと。加盟国間の貿易を円滑にし、EU内で流通する製品が一定水準の基準を満たすことを目的に制定される欧州の統一規格です。
⇒「国内関連法令・国際規格を知ろう」へ

F

Fセンサ

定置型検知器用のセンサとして新開発したセンサシリーズです。従来センサよりも小型・高性能で信頼性の高いセンサです。

I

IEC

IEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)によって制定される、電気・電子技術および関連技術に関する国際規格です。
⇒「国内関連法令・国際規格を知ろう」へ

IECEx

IECEx(IEC System for Certification to Standards Relating to Equipment for Use in Explosive Atmospheres:IEC防爆電気機器規格適合試験制度)。IECExは爆発性雰囲気内で使用される電気機器の一定の安全性を確保しつつ、従来各国ごとに行われる試験を共通化することで手続きを簡略化し、製品の国際的な流通を促進することを目的としています。
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INHIBIT

機器のメンテナンスなどの都合で、一時的にガス検知の機能を停止させます。ポイントスキップと称されることもあり、同等の機能です。

ISO

ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)によって制定される国際規格です。
電気・電子技術および関連技術を除く全産業分野(鉱工業、農業、医薬品等)を対象とし、製品そのものに対する要求だけでなく、組織のあり方などについても幅広く規定しています。電気・電子技術についてはIEC規格として制定されています。
⇒「国内関連法令・国際規格を知ろう」へ

J

JG

「日本政府」を意味する"Japanese Government"の頭文字をとった略称。JG型式承認とは、国土交通省が日本船籍の船舶に搭載する法定舶用品に対して、所定の性能を満たしていることを確認する制度です。
⇒「国内関連法令・国際規格を知ろう」へ

JIS

産業標準化法に基づき制定される日本の国家規格です。「日本産業規格※」を意味する"Japanese Industrial Standards"の頭文字をとった略称。※2019年7月1日の法改正により、「日本工業規格」から「日本産業規格」に名称が変更されました。
⇒「国内関連法令・国際規格を知ろう」へ

L

LEL

Lower Explosive Limitの略語で、爆発下限界と訳す。
可燃性のガスと空気が混合し、着火源が存在したときに爆発を起こす最低の濃度。
例:水素のLELは4.0vol%

M

mg/m³

測定ガス1m³中に含まれる特定ガスの質量をミリグラム単位で表したもの。

O

OEL

Occupational Exposure Limitsの略称。作業暴露限界。作業者の健康維持の観点で、作業者が暴露される化学物質の量を決める限界値。

P

ppb

ガス濃度を10億分の1の割合で表したもの。SI単位ではありませんが、法定計量単位として使用されています。
1ppb=1×10⁻³ppm

ppm

ガス濃度を100万分の1の割合で表したもの。SI単位ではありませんが、法定計量単位として使用されています。
1ppm=1×10⁻⁴ vol%

R

Rセンサ

ポータブル型検知器用の小型センサとして新開発したセンサシリーズです。従来センサよりも高性能で耐久性に優れた、信頼性の高いセンサです。

S

SIL

安全度水準(Safety Integrity Level)のこと。安全性能を表す尺度。安全度合い。IEC 61508により、プロセス産業における電気・電子・プログラマブル電子(E/E/PE)の機能安全として規定されており、Part1~7で構成されます。SILは1~4の4段階で定められ、SIL4が最高水準です。
⇒「国内関連法令・国際規格を知ろう」へ

T

TLV

ほとんどの作業者が連日繰り返し曝露されても健康上の悪影響をこうむることがないと考えられる有害物質の濃度として米国ACGIH等が勧告している。英語では「Threshold Limit Values(TLVs)」という。TLVには「TLV-TWA」、「TLV-STEL」、「TLV-C」がある。

TLV-C

作業中において瞬時的にも超えてはならない有害物質の濃度のこと。英語の「Threshold Limit Value Ceiling」の略語で、日本語では曝露上限値、または天井値と訳す。

TLV-STEL

作業者が15分間連続曝露されても、毎日の曝露がTLV-TWA以下であれば健康上作業者に悪影響をおよぼさない有害物質の濃度のこと。英語の「Threshold Limit Value Short Term Exposure Limit」の略語で、日本語では短時間曝露限界値と訳す。

TLV-TWA

1日8時間または週40時間の平均作業において、反復曝露されても健康上の悪影響をこうむることがないと考えられる有害物質の時間加重平均濃度のこと。英語の「Threshold Limit Value Time Weighted Average」の略語で、日本語では時間加重平均値曝露限界値と訳す。

U

UEL

Upper Explosive Limitの略語で、爆発上限界と訳す。
可燃性のガスと空気が混合し、着火源が存在したときに 爆発を起こす最高の濃度。
例:水素のUELは75vol%

V

vol%

ガス濃度を100分の1の割合で表したもの。
SI単位ではありませんが、法定計量単位として使用されています。