接触電位差
金属や半導体などの導体(電気が流れる物質)を接合すると電位差が発生します。 この電位差を接触電位差と呼びます。
ケルビンプローブ
ケルビンプローブは材料の表面の電位を測定する道具です。 原理図をFig.2に示します。 ケルビンプローブは対向する平板状の振動電極とサンプル、そして振動電極とサンプルを電気的に接合するケーブルとその間に接続された検流計と電圧可変の電池とから構成されます。 電圧可変の電池の電圧VE=0とします。 振動電極はFig.1の導体1、サンプルは導体2に相当します。 つまり、ケーブルで電気的に接合された振動電極とサンプルとの間には接触電位差が発生します。 これは導体間の仕事関数の差です(式①)。 振動電極とサンプルとは対向する導体の板でその間には電圧がかかっており、これを一種のコンデンサと考えることができます。 そして、このコンデンサに蓄積された電荷量Qは、このコンデンサの静電容量Cと、振動電極とサンプル間の電位差との積になります(式②)。 ここで、振動電極をサンプルとの距離が変化する様に振動させると、コンデンサの電極間距離の関数である静電容量Cが変化するため、 Qも変化します。 このQの時間微分はケーブルを流れる電流iに相当します(式③)。 電圧可変の電池電圧VEを変えると電流iも変化します。 そしてiが0の時、振動電極とサンプルとの間の接触電位差は式④を用いて電池電圧から測定されます。 大気中光電子分光装置を用いて振動電極の仕事関数を見積もれば、式⑤よりサンプルの仕事関数Φ2を見積もることができます。
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