仕事関数・イオン化ポテンシャルの測定
仕事関数・イオン化ポテンシャルの測定について説明します。
試料表面に紫外線を照射した時に放出される光電子の数は、紫外線のエネルギーに依存して変化します。
Aのように、紫外線のエネルギーが小さいとき(Fig.1)、光電子は放出されません(Fig.2)。
一方、Bのように、紫外線のエネルギーが十分に大きいとき、価電子帯の電子は真空準位より高いエネルギーの準位へ励起され (Fig.1)、光電子が放出されます(Fig.2)。
したがって、光電子放出のしきい値エネルギー(Fig.2の@)は、真空準位と価電子帯最上端のエネルギーとの差(Fig.1の@)となります。
【測定対象サンプル毎の測定値の呼称について】
<金属を測定する場合>
価電子帯最上端のエネルギーとフェルミ準位が一致している場合、光電子放出のしきい値エネルギーは仕事関数となります。
<半導体を測定する場合>
価電子帯最上端のエネルギーとフェルミ準位が一致していない場合、光電子放出のしきい値エネルギーはイオン化ポテンシャルとなります。